院長コラム

Director's Blog

NO.11 脳の構造と新脳針(~記憶や学習について、脳の上書き機能~)

いよいよ秋本番、各地で紅葉が見どころとなってきました。
最近は祭日も診療しているため、私は遠方などの行楽地へは行けてませんが、
少しの時間でお出かけ出来るだけしています。

この写真は本院・大東市の飯盛山近くにある
”むろ池園地”へ 愛妻の京子副院長と日曜診療後に愛犬チャチャを連れて
ネイチャートレイル外回りコースを1時間歩いてきました。

※是非、宿泊集中治療でお越しの方は一度は行ってみてください。
とても素敵な場所ですよ。

大阪府民の森「むろいけ園地」案内

http://osaka-midori.jp/mori/muroike/map.html

さて、今回の「NO.10 脳の構造と新脳針」は記憶や学習についてのお話です。

リハビリ現場やトレーニング現場でよく耳にする…過去の経験から履歴の上書き!…記憶させる!…学習させる!…など言葉のキーワードを耳にしたことがあると思いませんか?
実は私もリセプター療法や動作改善法など 新脳針+"3つの連携プログラム“ を施術している時、自然にこのワード使うことが多いのです。

私達は今を生きている中でさまざまな経験しながら生活しています。
つまり過去の経験記憶から現在の生き方に繋げているのです。

また脳は新たな出来事は新しい神経を使い、新たな記憶として脳細胞にインプット(新たな細胞を作る)し、新たな記憶や新たな学習として上書きしているのです。
※これは前回NO.9の話にも出したように代償作用として働いている場合もあります。

記憶はニューロンの回路(神経ネットワーク)と、とても関わりが深い事が最近の研究でわかってきました。
新脳針(脳の電気刺激・共鳴振動)は大脳皮質のニューロンから多くの突起を出して神経ネットワークを形成します。
その新脳針の鍼通電は頭皮から大脳皮質へ伸びる脳波がその振動をキャッチし脳内の神経ループを介して記憶を司る海馬へ神経伝達が繰り返され、また次のループ(ニューロン)へ電気刺激が送られ大脳皮質へと戻ります。
(記憶のメカニズムは海馬と大脳皮質が大きくかかわっているのです)

 

電気信号は一度伝達効率が安定してくると、電気刺激をやめた後でも、しばらく高いまま残存(習慣がつく)…つまり神経の可塑性(そのままの状態を保持する性質)があるとされています。
これはシナプスの伝達速度がアップし、その伝達経路が身についたからなのです。
そして一度伝達効率が良くなるとその状態を保ち続ける事がたやすくなり、自然に習慣ついた動きができる様になるのです。

 

 

 

これらは東京都神経科学総合研究所の写真からも細胞体から多くの突起が出て、
ネットワークを形成している様子がよくわかります。

脳はニューロンの伝達効率を高める事で、情報を記憶するという原理が記憶のしくみに関する有力説だと考えられます。
また記憶の本質はニューロン回路の発達であり、特に重要な働きをしているのが、ニューロンとニューロンを繋ぐシナプスと呼ばれる連結部分の情報伝達であり、特に海馬(記憶細胞)へのニューロンに繰り返し電気刺激を与えるとシナプスの間の信号伝達の効率が良くなり記憶の状態が確保されると言われています。
※(繰り返し覚える作業や繰り返しの動作や運動が大切)

記憶のメカニズムには、海馬や大脳皮質が深く関わっていているのですが、その海馬への伝達神経のキャッチポイント(作業台)として、
行動に深くかかわるワーキングメモリーと呼ばれる記憶の中枢ポイントが大脳皮質の前頭連合野(前頭連合野の46野)にもあります。

新脳針は大脳皮質の前頭連合野のエリアにも刺鍼し0,7ミリアンペアの超微弱電流を注入する事で脳の神経のネットワークを繋げます。

 

ワーキングメモリーは、海馬とは異なった働きをするのですが、前頭連合野への刺鍼した電気刺激は高次運動野や大脳辺縁系に指令を伝えて
海馬にも神経ループが伝わり記憶に関連した記憶をコントロールするとされています。

記憶には学者によっていろいろな分類をまとめられていますが、
記憶の分類の一例として

〇エピソード記憶
過去の体験によって得られた記憶など一連のストーリーとして記憶している。

〇意味記憶
地球は丸いという様に、自分が実際見たり体験していなくても学習や創造の知識で
知りえた記憶。

〇手続き記憶
実際に身体を動かして練習を重ね、その結果として培われる記憶。

〇プライミング記憶
意識していないのに覚えている記憶。
関連している記憶を引き出す。(赤いきつね、と言えば…緑のたぬき)

こうした現象は、この記憶の分類からシナプスの神経可塑性(変化した形状がその後固定される)があるのです。
この分類からも性質によっておこるものでもありますが、これら二つの信号が伝わると更に記憶として残す力があるとされています。
これを長期増強(LTP)と呼んでいますが、長期増強を起こしやすいネズミは記憶力や学習力が高いという報告があるそうです。

脳の基本的な記憶の原理は、長期増強によるものであると考えられている事から、
新脳針による脳の神経ネットワーク拡大とリセプター療法による運動や体操など筋肉からフィードバックされ、手続き記憶などの行動学的な記憶から新しい動きを大脳の運動区や小脳で覚え込ませることでが出来きる可能性があります。

新脳針とリセプター療法を組み合わせる事で、これらの行動記憶はパーキンソン病や脊髄小脳変性症、多系統萎縮症などの運動や行動の学習履歴として脳(海馬や大脳皮質・小脳)で記憶が上書きがされたり、発達障がいの集中力や認識力などにも成長がみられる事が多いのです。

院長コラム…ちょっと診ましょう「NO.10 脳の構造と新脳針」
はこれくらいで…
是非、新脳針+”3つの連携プログラム”を受けていただき、
少しでも行動記憶の上書きを一緒に頑張りましょう!

気候変動の折、寒暖差が激しい中、
皆さん体調整え冬に向けて精進くださいませ。

 

参考文献 脳のしくみがわかる本 成美堂出版