院長コラム

Director's Blog

NO.12 脳の構造と新脳針(~新脳針と鎮痛部位PAGについて~)

明けましておめでとうございます。
本年も院長コラム【ちょっと診ましょう】
ではどうぞ宜しくお願いいたします。

今年の初日の出は伊丹空港のスカイパーク公園から、
生駒山山頂、雲の隙間から素晴らしいご来光を拝ませていただきました。

2022年は新脳針+3つのプログラムを強化し『難病を克服する』をテーマに、スタッフ一同、さらに技能を強化し、

精一杯患者様と向き合い「愛ある治療」を与えていきたいと思っております。
そのためには、まず自分自身の身体とも向き合い、健康には留意し、心も身体も元気一杯で毎日を過ごせる努力しようと思っております。
皆様も一緒に頑張りましょう!

さて、新年早々、NHKで東洋医学が取り上げられていました。
東洋医学ホントのチカラ「健康の大問題 解決SP」
ゴールデンタイム…時間にして1時間半だったので、ご覧になられた方は多くいらっしゃると思います。

【特集】こころと体を元気に!東洋医学ホントのチカラ 鍼灸・漢方薬・太極拳・ヨガ

今回の特集は…
心と体を元気に!
鍼灸・漢方・太極拳・ヨガなど
①誰もが抱える「健康の大問題」。
②肩こりや腰痛など「慢性痛」への予防策や最新治療。
③生理痛や更年期障害など「女性のお悩み」の解決に役立つセルフケアなどを紹介。「体が整う」東洋医学のメソッドをたっぷり紹介されていました。

今回のちょっと診ましょうでは、
この番組でもご紹介されていたテーマの一つ②腰痛など慢性の”痛み”について…、
新脳針とPAGについてお話しさせていただきます。

新脳針は頭皮から脳へ0,7mAの超微弱電流を流しますが、
その刺激は脳の沈痛部位であるPAGに神経伝達され、下垂体脳内ホルモンであるエンドルフィンエンケファリンといった神経伝達物質を分泌し痛みを抑制させるとも考えられます。
PAGは脳神経の一部であり腰の痛み抑制に関わっていると考えらて、慢性的な腰痛を抱えている人はPAGの活動や、他の脳神経との連携に変化が生じると考えられます。
そこで鍼灸や徒手療法、運動療法などによる痛みの軽減には、PAGの働きや周辺の脳神経のネットワークの変化が伴い痛みの軽減へと導かれると考えられるのです。

(Heinricher et al 2009より引用)

 

中脳に位置するPAGの活動量は痛みには関連性があると考えられています。

(Petrovic et al 2002より引用)

 

脳や身体に刺激を加えることで痛みが軽減することがあるようです。

外部(頭や身体、手足など)からのツボ刺激は…
◎PAGを刺激することで痛みが軽減されます。
◎PAGの刺激には血圧を下げます。
◎PAGの刺激は副交感神経を優位に働かせます。
◎鎮痛作用のあるモルヒネ様物質エンドルフィン神経伝達物質を分泌するようです。
◎何かに集中している時、PAGの活動量が増加し痛みを感じにくくさせるようです。

新脳針も、このような現象としてPAGの活動量が痛みに何らかの影響を及ぼしていると考えられます。

【新脳針と神経ネットワーク】
痛みは特定の脳部位だけで感じるわけではなく、身体組織への刺激がその情報をキャッチし脊髄を介して脳に伝わり神経ネットワークからPAGへ神経伝達が行われていると考えられるのです。
つまり、各身体へ刺鍼する鍼治療が脳の機能を変化させ、「痛みを抑制する」働きとなっていることが考えられるのです。
(確率共振による反応もその一つと考えられます)

(Linnman et al 2012より引用)

長い前置きとなりましたが、ここからNHKでご紹介された痛みの抑制(PAG)について、明治国際医療大学の伊藤和憲先生のお話へと移りたいと思います。
この記事はNHK 東洋医学のホントのチカラHPから引用しています。

悩む人が多い慢性腰痛。実は、その原因が、腰ではなく「脳」にある場合が少なくないことが分かっています。こうしたなか、「脳」が原因の慢性腰痛の治療に、鍼灸が有効であることが最新の脳科学で明らかになってきました。今回は、明治国際医療大学教授で鍼灸師の伊藤和憲さんに、効果的な鍼灸治療やセルフケアの方法を教えてもらいます。
明治国際医療大学教授で鍼灸師の伊藤和憲さん
腰痛で痛がっている男性

慢性腰痛の原因は「脳」!?

今回、長年、慢性的な腰痛に悩む10人に協力してもらい、伊藤さんの鍼治療を受けてもらいました。すると、7人は腰周りに痛みを起こす筋肉や関節が見つかり、腰への鍼治療で改善した人がほとんどでしたが、残りの3人は、腰への治療だけではあまり効果がないと判断されました。実は近年、慢性痛に悩む人の脳の機能が変化し、痛みを起こす身体的な原因がないのに痛みを感じたり、痛みを強く感じてしまうケースがあることが知られています。

足の鍼灸
手の鍼灸

伊藤さんは、この3人が脳に原因があるタイプの慢性腰痛だと判断。そこで、頭や手足を刺激し、脳の働きの改善を狙う鍼治療をスタートします。そして一か月後、3人の腰痛は大きく改善したのです。

鍼治療で腰痛が改善した3人

最新の脳科学で「鍼の効果」が判明

なぜ、頭や手足への鍼治療で改善が見られたのか?実は、鍼治療が脳の働きを改善するメカニズムの解明も進んでいます。アメリカ・ハーバード大学のジャン・コン准教授は、慢性腰痛患者が鍼治療を受けた時の脳の活動をMRIで分析。すると、痛みが改善した患者の脳では、痛みを抑制する機能を持つ「PAG」と呼ばれる場所に変化が見られました。PAGと痛みに関わる脳のさまざまな場所のネットワークが強化されていたのです。つまり、鍼治療が脳の機能を変化させ、「痛みを抑制する」働きを回復させることが示されたのです。

アメリカ・ハーバード大学のジャン・コン准教授
痛みを抑制する機能を持つPAG

慢性痛の「ツボ押し」セルフケア

慢性痛の予防や改善には、日常的にツボ押しなどのセルフケアを行うことが効果的だといいます。そこで伊藤先生オススメの、「慢性痛に役立つツボ」をご紹介します。

腎愈(じんゆ)・大腸愈(だいちょうゆ)

腎愈(じんゆ)と大腸愈(だいちょうゆ)の場所

腰が原因の腰痛の人にオススメのツボです。
腎愈は一番下の肋骨の高さ、背骨からテニスボール1個分横にずらしたところ。
大腸愈はウエストの高さ、同じく背骨からテニスボール1個分横にずらしたところ。
手で押すだけでなく、壁や床と背中の間にテニスボールを挟み、自分の体重をかけて押すのもオススメです。押しすぎに注意してください。

腰腿点(ようたいてん)

腰腿点(ようたいてん)の場所

急性腰痛と慢性腰痛の両方にオススメのツボです。人さし指と中指の骨が交わるところの少し上と、薬指と小指の骨が交わるところの少し上、ちょっとくぼんだところにあります。右手と左手にあります。

合谷(ごうこく)

合谷(ごうこく)の場所

腰痛だけでなく慢性痛に広く役立つツボです。親指と人差し指の骨が交わるところから、少し人差し指寄りにあるへこんだところです。ストレスからくる体のこわばりや痛みを和らげるのにオススメです。

頭維(ずい)

頭維(ずい)の場所

慢性痛の人に広く役立つツボです。額の髪の生え際から親指半分ほど奥にあります。集中力を高めたいときや、ネガティブな思考を改善したいときにも役立ちます。

※ツボは、気持ちいいと感じる程度の強さで押してください。

①指でゆっくり5秒ほど押す、②ゆっくり指を離す、を5セットほど繰り返します。
くれぐれも、押しすぎには注意してください。

 

https://www.nhk.or.jp/kenko/atc_1367.html

【放送】
東洋医学ホントのチカラ「健康の大問題 解決SP」

2022年1月10日(月)午後7:30~8:43(総合)

■NHKオンデマンドで配信しています。
»配信ページはこちら
■NHK+で配信しています。
※2022年1月17日(月)午後8:43まで
»配信ページはこちら

 

最後に…

特に当院が専門とする弱った脳を活性化させる「新脳針治療」を行っておりますが、脳に関連した鍼灸の内容をNHKで取り上げられた事で説得力があり、信頼が高まったと、とても嬉しく思いました。
私が取り組んでいる東洋医学(鍼灸・漢方・マッサージ・運動療法など…)は西洋医学では手が届かない症状への解決策として、たいへん評価されアジアはもちろん欧米各国、世界中で注目を集めています。
過去にNHKスペシャルで「シリーズ・神秘の巨大ネットワーク」では脳や身体からメッセンジャー物質による情報ネットワークが各臓器同士の会話を通じて自然治癒力を高めあっている事が伝えられていました」 今回も最新科学に基づき脳に関連した東洋医学の効果が確認されたとしてご紹介されていました。

腰痛をはじめ慢性痛にはツボ(経穴)刺激が有効であること!
東洋医学でも特に脳と身体については最新鍼灸医学ともいえる!…
まだまだ脳と東洋医学の研究は進化すると思いますので、
これからも最新情報をキャッチし、日々の診療に生かせるよう
頑張りたいと思います。