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本日のオススメ本「魍魎の匣」※もうりょうのはこ(京極夏彦)
こんにちは。
今日のオススメ本は、民俗学へ興味を持つ切っ掛けともなる京極氏の代表作、「魍魎の匣」です。
小説家の京極夏彦氏を一気に有名作家に押し上げた代表作です。小説としての魅力はもちろん民俗学などの分野への興味を引き付けるきっかけにもなっています。非常にリアルな描写と怪しい魅力で、分厚いながらも一気に読める1冊です。
現実と狂気の間を縫うような独特の世界観を持つ重厚なミステリーで、戦後の明治が舞台となっています。妖怪や陰陽師にまつわる見解・知識が物語に散りばめられていて、特徴的な文体も含め、ちょっと古典的で美しい日本語がたくさん楽しめます。ぞっとするところもありますが、ふきだして笑ってしまうところもあり、主人公の京極(作者と同じ名前)の凄まじいまでのうんちくにもはまります。しかし、あまりにも凄まじく、数ページにわたって一人で語りにかたりまくる場面も多いため、さすがに堤真一が台本を覚えるのに大変すぎるためか、聞いているほうがしんどくなるからか、映画ではセリフやうんちくが圧倒的に減っており、でもそのうんちくこそがこの本の大いなる醍醐味であると思っている読者にはものたらないことでした。やはりそういう意味で、このシリーズは映画ではなく本をオススメします。
ただ、くり返しになりますが、この「百鬼夜行」シリーズ、いずれもかなり分厚いです。幅が4センチほどあったりしますので、持ち歩くにも重く、電車などで立ち読みすると腕が疲れます。
でも、なんとなく「すごい読書家」感を醸し出せます。(笑)
ちなみに京極氏のこのシリーズ、最初の一冊は実写化もされた「姑獲鳥(うぶめ)の夏」なのですが、個人的に、こちらはあまり…オチが好きではありません。が、いずれも癖の強い登場人物の把握のためには、まずはそちらを読むのがベストかと思います。
内容も文体も癖が強く好き嫌いが別れる作品ですので、完読できない方や、まったく面白くないと感じる方もおられるかと思います。
最初の一冊は、古本屋で買うか、図書館で借りることをオススメします。
でも、もし…はまったら…
シリーズを読みつくすのに相当な時間がかかりますので、「次に読む本、なににしよう~」という“さぐり手間”がかなりの期間、省けますよ~。
大阪本院 前田針灸接骨院 バンドウ