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本日のオススメ本「アルジャーノンに花束を」(ダニエル・キイス)

こんにちは、事務のバンドウです。

本日ご紹介する本は、数々の映画化もされた有名な作品「アルジャーノンに花束を」です。

知能を向上させる手術を受けた知的障がいの青年チャーリー。賢くなりたかった彼は、日を追うにつれ、徐々に賢くなる手応えを感じ、大喜びでした。

しかし人には、賢ければ賢いほどに気が付いてしまう種類の不幸、というものがあります。チャーリーも、まずは友達と思っていた人からバカにされていたことに気づいてしまったし、頭脳のスペックがあがるにつれ、周りのそれを追い越し、徐々に調和出来なくなっていき、苦悩を抱え続けます。

 

全体を通して、チャーリーの日記のような形式で進んでいくのが斬新で面白く、また、なんといっても日本語訳が秀逸!

日記に使われる文章力や語彙、内容の難解さなどで知能の違いが伝わると同時に、チャーリーの客観的な変化と、内面的な心の揺れもリアルに響いてきます。

二番煎じはいつでも簡単ですが、50年以上前にこの技法を使って書いた発想は、この本を名作に押し上げた大きな要素ではないかと思います。

ただこの物語、発表が50年ほど前なので今と知的障がい者への社会の接し方が違うことには留意しなければなりません。

 

知性を主軸に、生きることの様々なテーマが詰まった不偏の名作。

胸が締め付けられるように切なく、人とは、知性とは、思いやりとは、幸せとは、愛とは、家族とは、教育とは何かを、深く考えさせられます。

胸を打つラストの余韻は、当分の間消えてくれません。

そしてラストを知って初めて、この「アルジャーノンに花束」というタイトルが、とても美しく聞こえます。

この作品でいっきに有名になった作者ダニエル・キイスは、いっとき犯罪者として世間に騒がれた実在の人物、かの有名な“多重人格者”を書いた「24人のビリーミリガン」でも広く知られています。この本も、いったん読みはじめたらノンストップ間違いなしの面白さです。

それもまたいつの日か。

 

大阪本院 前田針灸接骨院 バンドウ