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本日のオススメ本「十二国記」シリーズ(小野不由美)

こんにちは。事務のバンドウです。スタッフ全員でブログをあげていくことになったのですが、私の担当は“オススメ本のご紹介”です。

さっそく記念すべき第一弾として、本日のおすすめは、ホラーの名手、小野不由美が書いたベストセラー、『十二国記』シリーズです。

前もっていうと、SF(科学的にあり得ないこと)が苦手な人は、バッサリ、アウトです。次回のオススメを見てください。(笑)

 

『十二国記』の舞台は、現実世界に次元を超えて隣接した異世界。紀元前700年後半から220年頃かけて、春秋戦国時代の中国をモチーフにしています。「虚海」と呼ばれる海に囲まれた地続きの8つの国と海を隔てた4つの島国が、まるで幾何学模様のように上下左右対称に並んだ世界です。 十二の国には十二人の王が存在します。王を選ぶのは天の意思。天帝(神)が任命した霊獣「麒麟」が「王気」と呼ばれるオーラを感じ取り、王を選ぶのです。王が優れていれば国は栄えますが、そうでない場合や王が不在の間は、国は天変地異や妖魔に襲われて土地は痩せ人心は荒廃してしまいます。 『十二国記』では、ヒロイン・陽子の物語とともに、国々で起こるさまざまな争乱や王たちの栄枯盛衰、そしてそこに生きる人々の暮らしなどが壮大なスケールで描かれていきます。

 

小野不由美の文章力には憧れや尊敬を通り越して畏怖さえ覚えます。ホラーなぞ、この世で一番こわいです。その本がある部屋にすら入りたくなくなります。(笑)

人間の奥深さの書き込みに深く感銘をうけ、自分の人生観にも大きく影響を受け、私の人生のバイブルとなりました。12人の王は、それぞれにまったく違う個性がありながら、確かにどの王も、王の資質をはっきりと感じます。完璧でなくとも、それぞれの良さをいかすことができれば治世はうまくいく。周りが助けてくれることも人の資質の大切な要素です。逆に、いかに資質があろうとも、小さなほころびから正しいほうに進むか否か、その選択と行動でいかな傑物でも取り返しのつかない深みにはまります。

義務と権利と責任、逃げていいことと、いけないこと。

多くの登場人物がいる中、一人一人の違う強さ、正義、思いやりの素晴らしさに感動します。逆に、一見極悪ではない普通の人の中の、弱さやずるさや怠惰からうまれる欺瞞と許しがたい罪に学びます。

 

最初は異次元なのでわけがわからないのですが、同じく主人公の女子高生がわけのわからないままそこで死に物狂いで学びながら生きていく過程で、主人公と同時に読者もその世界を徐々に理解できるようになっています。

 

ちなみにこの天才作家、小野不由美は、遅筆でも知られる人で、シリーズの完結編手前の作品から、完結編まで、私は18年くらい待ちました…。

すべてを一気に読める方々をうらやましく思います。(笑)

ご興味のある方は、ぜひ読んでみてください。

それではまた。

大阪本院 事務 バンドウ