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進行の遅い多系統萎縮症【MSA】患者さんは・・・。 

第1回 本院スタッフインタビュー:院長代理 神先先生

個人的な意見ですけど…

進行の遅い多系統萎縮症【MSA】患者さんは…。

 

今回のブログは、前田針灸接骨院で日々、患者さんに向き合っている鍼灸師の先生に色々とお話を伺ってみました。

その先生方の疾患に対する印象や経験してきたこと、日々、どんな思いで患者さんと向き合っているのか? 今まで担当してきた患者さんとのエピソードなんかも少しご紹介していこうと思います。

第1回目の今回は、本院に長年勤め、経験豊富な院長代理こと神先先生にMSA(多系統萎縮症)患者さんについて、色々と聞いてみました。

裏戸:「神先先生は、MSA(多系統萎縮症)という疾患に対して、どんな印象を持っていますか?」

神先:「フラつきがきつく、体の緊張もきつい患者さんが多い印象です。」

神先:「多くの患者さんを施術していますけど、お身体を診させてもらった時、針を打つときの感触でも、そのように感じることが多いです。」

神先:「特に首回りが、ガチガチに固まっていることが多いですね。」

裏戸:「確かに、動作改善法で施術していても、首回りは… 特に頭蓋骨と環椎(首の1番目の骨)あたりは、動きの悪い方が多いです。」

 

裏戸:「MSA(多系統萎縮症)患者さんは、どんな症状で困っている方が多いですか?」

神先:「ふらつきによる歩きにくさがメインですが、呂律が回りにくく、しゃべりづらいため、コミュニケーションが取りづらくなることに、困っている患者さんは多いですね。」

神先:「相手に気を使ってしまうし… 1人で自宅に居ることも多いため、しゃべる機会も少なくなってしまいます。」

神先:「しゃべる機会が少ない ⇒ しゃべらない ⇒ 呂律が回りづらくなる ⇒ しゃべるのが億劫になる ⇒ しゃべらない ⇒ といった悪循環に陥ってしまいます。」

裏戸:「しゃべらないと、今度はしゃべれなくなる。人の体は使わないと、ドンドン使えなくなりますもんね。」

 

裏戸:「ご家族さんは、どんなことで困られている方が多いですか? どんな悩みをよく聞きますか?」

神先:「睡眠に関しての悩みも多いです。夜、寝ていてもトイレに行きたくなり、しっかり眠ることができない。」

神先:「杖や歩行器をお使いになられていても、転倒のリスクがあるため、なかなか1人にできない、転倒して骨折でもしたら…。というお悩みはよく聞きます。」

神先:「あと…リハビリを勧めるけど、身内だから勧めてもなかなかやってくれない、というのも多いですね。」

裏戸:「ちょっとでもいいから、そこは頑張って欲しいですね。」

神先:「座っている時間を増やすだけでも、リハビリになりますからね。」

 

裏戸:「MSA患者さんを治療していて、改善例やエピソードがあれば、ぜひ、教えてください。

神先:「そうですね、気持ちの面で前向きに変わってくれる事が大きいかなぁ…。それ以外にも、お通じの改善や睡眠の質の向上など、色々とあるけど、やっぱり笑顔が増えるのが1番ですね。」

神先:「あるMSA患者さんは、ホームセンターに行きたいと言い出し、実際に自分で木材を購入してきて、訪問リハビリで使うストレッチボードを自分で作ったという話を聞かされた時は、正直ビックリしました。」

裏戸:「えぇ!! それは凄いですね」

神先:「治療に対しても、始めはそこまで積極的ではなかったですけど…。奥さんも、ご主人さんのこのような変化をうれしく思ってくれていました。」

( 上記の症例はこちら )

 

裏戸:「逆に、上手くいかなかったことは、ありますか?」

神先:「難しいご病気だから、致し方ないところは、あるのかもしれないけど…、治療に対して前向きに受け取ってもらえないこともありますね。」

神先:「家族に連れて来てもらっても『やってても変わらなければ、いっしょやろ…』と。」

神先:「希望や目標を持っていて、切り替えができた方、切り替えできない方、切り替えようとして頑張っている方、色々な患者さんがいますから…。患者さんの性格によっても反応が違います。」

神先:「会話のキャッチボールだったり、リハビリに対する気持ちだったり…。」

神先:「自分から行動してくれるか、どうか…。やっぱり、そこが大きいと感じます。自分から動いてくれている人の方が、病気の進行も遅いように感じます。」

裏戸:「過去には、娘さんの結婚式でバージンロードを一緒に歩くために…といった具体的な目標をお持ちの患者さんもおられましたもんね。」

神先:「そうですね。やはり目標を持っている方がいいですね。小さな目標でいいので、持ってもらえるように心がけています。」

裏戸:「神先先生、今日はお忙しい中、協力いただき、ありがとうございました。」

神先:「いえいえ、こちらこそ。」

 

今回は、短い時間でしたけど、本院院長代理、神先先生の治療観に少し触れてみました。

体を動かすことは、単なる運動という意味だけじゃなく、気持ちの面でも大きな影響を与えます。

当院でのレセプター療法、動作改善法は身体を動かすきっかけ作りにも役立っています。

少しでもいいので、毎日の習慣として体を動かす機会を創ってみて下さい。

 

前田針灸接骨院

動作改善法 担当:裏戸 雅行