院長コラム

Director's Blog

NO.8 脳の構造と新脳針(~針の痛みメカニズムについて~)

NO.8 脳の構造と新脳針

いよいよ東京2020オリンピックが開始されました。

緊急事態宣言が発出している最中でとても心配しておりますが、
開催するからには安全・安心な大会として成功してほしいものですね。

さて、NO8
新脳針と脳の構造については

『針の痛みについて…』お話しいたします。

患者様の質問より鍼治療は痛くありませんか?
とよく質問されますが、鍼は痛みがあるのは当然です。
多くの患者様にとって、痛みはあるのは嫌な事ですが、痛みを感じる事は体制防御反応が働き、自然に身体の治癒力を高める事が考えられるのです。

 

鍼治療での痛みと脳で感じる状態についてお話させていただきます。

 

その痛みメカニズムの詳しく説明として…
痛みの感覚受容器から脳内物質が出て、
皮膚にある自由神経終末(神経の末端部)で感じ取られる感覚の一つなのです。
この発痛物質が自由神経終末(神経の末端)を刺激し、受けた刺激が神経線維(C繊維・Aδ繊維)に伝わり、電気信号として最終的に大脳の感覚野まで伝わります。
この様に痛みは皮膚が直接反応するのではなく、発痛物質という化学物質に置き換えられて、それを脳が感じているのです。

【破壊と再生理論】
鍼治療では、刺鍼により皮膚が傷つけられると、その部分を構成されている細胞が
破壊されカリウムイオンといった発痛物質(炎症させる物質)が分泌されるのですが、その後人間の自然反応(修復させる反応)が治癒能力を高めると考えられます。

つまり鍼治療の場合は鍼の痛みから、身の危険を感知しその部分から鎮痛物質(炎症を抑える物質)として神経伝達物質が発生し化学物質(自然治癒能力)に置き換えられてその過程から完治していくと考えられます。

また、お灸の熱さも痛みの感覚と似ているため、
『熱さ』=『痛み』の感覚があり、身を守るために重要な皮膚感覚の一つなのです。

身体を構成しているタンパク質は、熱さに弱いため
熱さに対する刺激を脳に伝え、修復させる反応も大切な自然治療を高める働きなのです。

皮膚は痛みや熱を感じる重要な感覚器でもあると言えます。

 

 

 

新脳針と脳の構造 NO.8最後のまとめとして…

①痛み刺激を身体から脳で感じとり生命を保つために動物特有のさまざまな神経伝達物質(ホルモン)を分泌する作用がある

②身体に鍼を刺し、組織の破壊があり修復(再生)する作用を持っている。

③自然治癒力が高まると免疫力を高める作用がある

④再生する過程で新陳代謝が高まり、毛細血管の拡張が起きる

針治療は痛みがあるのは当然で、患者様には毎回鍼治療をする度にしっかり痛みを感じていただき身体の治癒能力が高まるのだと理解していただければと思います。