院長コラム『ちょっと診ましょう』

院長コラム『ちょっと診ましょう』

院長コラム

篠浦塾 ‟和の心統合医療” 講座を終えて

12月に入り、いよいよ季節は師走を迎え、冬本番となりました。
皆様いかがお過ごしでしょうか?
2025年もあとわずか…
今年を気持ちよく!元気よく!笑顔で!締めくくりたいですね!

さて、先日、篠浦塾セミナー ”和の心統合医療”
『第2回 薬を使わない脳疾患の治療法 講座』

篠浦伸禎先生にお声掛けいただき私が講座を請け負う機会をいただきました。

私は第3部
テーマ:【自己治癒力を引き出す鍼灸と難病患者に寄り添う東洋医学】です。

篠浦伸禎先生(篠浦塾 理事長)
篠浦塾HPよりご紹介

https://shinoura-juku.com/

篠浦伸禎先生の医療の志は…
日本の脳神経外科で覚醒下(意識ある状態)での手術ではトップクラスの篠浦先生、数多く脳に関する疾患の臨床経験から提唱される補完的アプローチとは…
西洋医学だけに頼るのではなく、「食」「体」「脳(心)」を総合的に整えることで、
より健やかに生きるための指針を示されています。

まず「食」では、玄米菜食を基本に、発酵食品や海の恵み、きのこ類を取り入れつつ、化学物質や過食を避けるという、自然に沿った食習慣を重視します。同時に、食の“原理主義”に陥らず柔軟でいることも大切だと。

次に「体」へのアプローチでは、運動や瞑想などを通して脳を活性化する視点が特徴的です。有酸素運動で全身を動かし、腰や股関節の可動性を高め、さらには視床下部に働きかけるといわれるさまざまな健康法を取り入れることで、心身のバランスを整える姿勢を提案されています。

そして最後に「脳(心)」の使い方では、感謝や真心といった心の姿勢を重視し、本質を見極め、公を意識した行動を目指すことを示されています。
合理的な型を身につけ、適度なストレス環境下で上手に脳を使う生き方を推奨される点も特徴です。

私にとってこれらの考え方は正に共感できる事ばかりで、現代医学(西洋医学)と補完・代替え医療(東洋医学)を統合し、更に人がより前向きに生きるためのヒントを与えてくれました。

これら篠浦先生の指針も踏まえ、今私が取り組んでいる脳科学から見た東洋医学についてお話しさせていただきました。

補完・代替え医療 東洋医学とは…?
そして、当院の治療プロセスを説明の流れで…
講座当日は90分間で90枚のスライドを準備しました。

では、この講座の一部スライドを紹介いたします。

〇患者と術者の信頼関係
〇患者と家族(保護者・サポーター)との信頼関係
〇前田東洋医学研究院の”スローガン”【愛ある治療】

患者様と術者の信頼関係が無くては治療効果は上がりません。

前田東洋医学研究院グループは
『愛ある治療』をテーマに日々患者様に向き合っています。
視床下部から分泌される愛情ホルモン・オキシトシンは自然治癒力を高め治療効果に繋がる神経伝達物質なのです。


〇補完医療・代替え医療(CAM)とは

〇世界の医学
〇東洋医学とは

西洋医学を補う補完医療・また西洋医学の考えとは違う視点での医療…代替え医療が
両者とも必要とされる中、東洋医学とはどのような医療なのか、お話しさせていただきました。


〇東洋医学と西洋医学の強み弱み
〇【統合医療】とは
それぞれの特徴から、統合医療として『前田東洋医学研究院グループ』が行っている
今の治療法についてお話ししました。

〇新脳針とは
刺鍼(0,7ミリアンペア注入)、微弱電流通電、確率共鳴、神経伝達物質、神経ネットワーク、細胞内分子群、自然治癒力などそれぞれのキーワードを具体的に説明

〇細胞内分子群
〇メッセンジャー物質とは
〇神経伝達物質…臓器同士の会話
数多くのメッセンジャー物質から代表的なメッセンジャー物質を取り上げ、
臓器同士の会話(お互いの細胞を補い合う)と細胞内分子群(細胞内キャラクター)の働きがあってこそ、自然治癒力が高まる…脳科学についてのお話し

〇神経の成長(イメージ)
〇神経伝達の瞬間(イメージ)
中央帯状部 脳梁から左右に神経線維が放射線状に伸びる
〇脳梁を6つの領域に区分し、各場所から神経領域の様子を色分け、
古い脳から新しい脳へ伸びる神経線維(イメージ)

脳の中心部…古い脳~脳の外側…新しい脳へ
まるで豆電球が光を灯している状態

鍼電気刺激(EA)は、
脊髄伝導路(中枢の脳:末梢の皮膚)(感情:心)など(下向:上行)伝導路から視床下部など重要な脳を通じて身体各所へ情報を伝えると考えられています。

〇シナプス(イメージ)
〇新脳針迷走神経鍼刺激(耳介迷走神経鍼刺激)
〇迷走神経
耳の周囲から体内をまるで迷走するかの様に張り巡らされている神経=【迷走神経】
この迷走神経への鍼通電が全身への影響を及ぼす効果について…
特に足三里穴は免疫の特効穴だと言われています。


〇【前田東洋医学研究院グループ】取り組んでいる主な疾患
古くから中国に伝わる特別なツボ(奇穴)である「靳三鍼・脳三鍼・智三鍼」などをもとに、前田東洋医学研究院グループは、現代の脳疾患に対応した新しい刺鍼法「新脳針」を研究・実践し、臨床での取り組みを通して、これらのツボ(奇穴)への施術が脳の働きにどのように影響するか…を検証している過程を紹介しました。

以下は、当院での施術内容をご紹介

◎口腔セネストパチー
左写真…動作改善法のハイボルテージ注入…【動作改善法】
ハンディプロープで電流をON・OFF 誤作動している神経を整える

中央・右写真…指頭感覚法 口内アプローチ…【指頭感覚法】
舌、唇、頬の裏側をマッサージストレッチ、異常な感覚や付随運動を整える

※口腔セネストパチー・口蓋ミオクローヌス、書痙、斜頸、など総称してジストニア(不随意運動)と呼ぶことがあります。
これらは自分の意思とは関係なく持続的な筋肉の収縮が起こり、うねるような運動や姿勢異常が現れる神経疾患です。同じ筋肉が繰り返し動くのが特徴で、ふるえを伴うこともあります。原因は解明されていませんが、大脳基底核や小脳などの中枢神経の障害が関与していると考えられています。症状は安静時や日常動作時にも現れ、ストレスや疲労で悪化する一方、特定部位への刺激(感覚トリック)で緩和する場合もあります。

 

 

 


◎脳室脳室周囲白質軟化症(PVL)
早産で生まれ脳の形成が未熟なまま出産となった(未熟児)新生児は脳室の周囲が軟化していることがあり、その影響で成長と共に身体の機能が不自由となり、麻痺や硬直が起きることがあります。

体重が約5キロ以上になれば刺鍼することができます。
また指頭感覚法・動作改善法・リセプター療法・温熱療法などオプションを組み合わせることで、
一層の成長を促すことが期待できます。

◎小児はり=(刺さないはり治療) 小児てんかん
てんかん、PVL、小児麻痺、発達障がいなど
小児刺鍼(刺す)の後は小児はり(刺さない)を行います。

『小児はり』は直接皮膚に鍼を刺さないので、とても気持ちよく、『小児鍼』最後の仕上げにとても人気な施術です。

 

◎福山型筋ジストロフィー【指頭感覚法】
寝た状態が長くなると側弯になるリスクが高くなります。
このお子様は側弯が強いため、身体左右のバランスが悪く、指頭感覚法でストレッチやマニュプレーションなどあらゆる指頭を使った手技を行います。

【動作改善法】

動けない、体動が困難などで寝た状態が長く続くお子様は、筋力が低下しやすくなります。

そのため、ハイボルテージによる電気刺激を行うことで、深層の筋繊維まで刺激が届き、筋収縮と伸張を繰り返すことで筋力の補強・強化が期待できます。

この物理療法により、筋ジストロフィーなどのお子様でみられる進行性の筋力低下をできる限り抑えることを目指しています。

 

◎大人・小児(子供)【リセプター療法】
リセプターとは受容器…身体にはあらゆる組織にリセプターが存在しています。
大人も子供もリセプターからの反応を呼び起こして、身体に正しい動きを導き、脳で学習させることを目指します。

 

以上…
あっという間の、90分間 90枚のスライドでした。

会場参加の受講者様、そしてオンラインでの受講者様も含め、凄く熱心に私の講座を聞いていただきました。
(ありがとうございます)

篠浦伸禎先生には、このような講座の場を私に設けていただき、
たいへん感謝いたします。

今後、篠浦先生の推奨する ”和の心統合医療” と、
私たちの推奨する ”愛ある治療 新脳針”  との相互関係が進めば、
西洋医学・東洋医学・脳科学・生活習慣アプローチの融合という
新しい統合医療モデルへ発展していく可能性があると、私は考えています。

この講座が難病の患者様方に光明が当たりますように…
私も頑張ります!

院長 前田為康

 

TEL.072-873-7171
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