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あなたも不完全な体ですか?

先日、ある患者さんから、こんな質問がありました。

 

松本さん(仮名):「先生、私の背中の痛みって、体をひねって使っていることが原因なんですよね。」

(個人を特定できないように、仮名を使わせて頂いております。)

私:「はい、そうです。」

私:「松本さんの場合、過去に足首を捻挫をされていて、そのせいで左の足首がグラグラなんです。」

私:「そのため、身体は右足で体を支えようとします。」

私:「その時に、どうしてもこの辺りで体がねじれて緊張が入り、背中や腰がしんどくなるのが、松本さんの状態です。」

私:「この辺です。」

 

と、言って私は松本さんの背中に手を置きました。

 

松本さん:「あぁ・・・はい、そこです!」

松本さん:「先生、これ・・・家では何とかできないんでしょうか?」

 

私:「そうですね・・・ケアはできます。でも、あくまで『ケア』です。」

私:「根本的な原因を一人で解決するのは難しいと思います。」

私:「なぜなら、人の体って、そこまで精密に出来ていないんですよ。」

 

松本さん:「へぇ~」

私:「なんとなく、この辺がジワ~と痛むってのはわかると思います。」

松本さん:「あっ、はい!」

 

私:「でも、それは『症状』であって、『原因』ではないんです。」

私:「松本さんの場合、『原因』は固まって動きの悪い箇所があります。」

私:「固まって動きの悪い箇所をカバーして、動き過ぎ、負担がかかっている箇所に『症状』が出ているんです。」

私:「『症状』はわかります。でも、『原因』は分かりにくいんです。自分では・・・。」

私:「だって、何番目の背骨の動きが悪いなぁ~とか、どこどこの関節が固まって動いてないなぁ~とか、ここの関節ねじってるなぁ~って、感じることあります?」

 

松本さん「う~ん、ない・・・です。」

私:「ですよね~」

 

私:「神経を通じて、ちゃんと脳にはそういった情報も届いてるんですよ。」

私:「でも、そういった情報って感覚として人は感じにくいんです。人の感覚って、意識して感じることが出来るものと、意識しても感じることが出来ないものがあるんですよ。」

 

松本さん:「へぇ~、そうなんですね。」

 

私:「はい、人って不完全な生き物なんです。(笑)」

 

不完全な人の体。

私たちは、自分が感覚として感じとれるものが、すべてと思いがちです。でも、実はそうじゃありません。

「動きが悪い」といった感覚は何となくしかわかりません。

体が「硬い」って感覚もストレッチした時くらいしか実感しないんじゃないでしょうか?

「こっちに関節をねじっている」って感覚があったら、傷める前に自分で治そうとしませんか?

だから、『痛み』として感じるまで、わからないんです。

 

自分でケアするのも大事です。ですが、それでもダメなら、やっぱり施術を受けてもらうことが大事。

体の緊張や硬さ、関節のねじれといった、自分では気づけないポイントも改善するためにはね。

それが、あなたの症状を改善する第一歩です。

 

ほったらかしにして、爆弾が破裂しないようにね。

あなたの導火線の火は消えていますか? それともパチパチパチと火花をあげていますか? あと数秒しかない!なんて状態ではないですよね?

 

前田針灸接骨院:裏戸 雅行