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どうすればMSA・SCD患者さんは、ふらつきを抑えて歩けるのでしょう?

『どうやって歩いていいかわからない。』、

『どうやって歩いていたかも思い出せない。』といった“不安な声”を施術中によく頂きます。

もしかしたら、あなたも『えっ、なんで…?』と、このような不安に襲われたことはありませんか?

 ● 右半身と左半身で同じように体を動かない。

●  歩き始めや方向を変える時に、フラついてしまう。

 ● リズムが取れない、リズムよく歩けない。

多系統萎縮症や脊髄小脳変性症といったご病気をお持ちの方の多くが、このような不安を抱えています。なぜ、多系統萎縮症や脊髄小脳変性症といったご病気をお持ちの方は、ふらついてしまうのか?

その主な原因は、小脳の萎縮にあります。この小脳にも実は、大脳と同じように左と右があります。もし、左小脳に萎縮が大きければ、左半身に症状が大きく現れます。

『小脳疾患の症状は同側性に現れる』

こういった特徴のために、どうしても体の動きは左右で違うものになってしまいます。一定のリズムが取れず、偏った動きになりやすいのもそのためです。

小さな差が生み出す大きな問題

動きに左右で違いが生じると、体に“よく動く部位”と“動かしにくい部位”が出来てしまいます。この小さな差が大きな問題の入り口になります。

その大きな問題とは、人の身体における『ある特徴』が関係しています。

実は、人の体は1週間、動かさないだけで構造的な変化が生じ、動かしづらくなります。骨折してある一定期間ギプス固定をすると、ギプスを外してもすぐには関節が動かない、というのは皆さんもご存知ではないでしょうか?

これは筋肉ではなく、筋肉を包んでいる筋膜や関節を包んでいる袋、関節包といった膜組織が主な原因であることが近年の研究で分かってきております。

(ファシアと呼ばれ、NHKにも取り上げられています。)

https://www.nhk.or.jp/beautyscience-blog/2020/171/426624.html

骨折後のギプス固定のように、体の一部分の動きを極端に制限することは、日常生活ではないでしょう。ですが、動きに左右で違いが生じると、少なからず『よく動く部位』と『動かしづらい部位』が生まれます。

『よく動く部位』は、やわらかく柔軟性があります。

逆に『動かしづらい部位』は、硬く固まっていきます。

こういった差が体の動きに影響します。

この体の硬さがバランスに影響します。歩行時や方向転換する時に、ふらつくのは、こういった理由を含むからです。

ですが、こういった体や関節の動きは改善可能です。これこそが指頭感覚法というメニューで、私が施術させてもらっている理由です。

目指すべきは“あなたが動ける体”

単なるマッサージと違い、指頭感覚法で私は強い圧迫を加えることはありません。なぜなら、私は指頭感覚法で、筋肉へのアプローチをメインとするのではなく、関節の可動性や靭帯、筋膜の動きをメインとしているからです。

施術者が強い圧迫や力を加えて動かしたとしても、あなた自身が生み出す力では無いため、自力で動かせません。施術者が力を加えなければ動かない体は、患者さんが自らの力で動ける状態ではありません。

目指すべきは、“動く体”ではなく、“動ける体”です。弱い力でも動く柔軟な関節や体が必要です。私が指頭感覚法をおススメするのは、そのためです。

指頭感覚法でも、はじめに問診で症状を確認させて頂いてから、お体を検査させて頂きます。この検査でお体のどの部分が『動かしづらい部位』なのか、を把握します。そのうえで『動かしづらい部位』とその施術方法をご説明してから施術に入らせて頂きます。

もし、あなたが歩行時にふらつき、転倒するリスクがあるならば、ぜひ一度、指頭感覚法をご受診ください。スムーズな歩行を取り戻せるように、全力で施術させていただくことをお約束いたします。

 

指頭感覚法 担当:裏戸 雅行