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本日のオススメ本「ぼんくら」(宮部みゆき)

年末にはとことんバタバタしておりましたが、年明けの休み中は「玄関前郵便受けまで」が最高移動距離、何なら片足しか靴も履かず大きく一歩で

郵便受けに手を伸ばし「人間にとっては小さな一歩だが正月休みの会社員にとっては偉大な一歩だ」などと悦に入るアームストロング…もといバンドウです。

謹んで新春のお慶びを申し上げます。本年もよろしくお願い致します。

さて本日のオススメ本は、日本でも上から5本指には入ろうという大ベストセラー作家の宮部みゆきさんの時代物「ぼんくら」です。

あまりにも有名すぎる作家さんであるため、ミーハーに思われるのではないかと危惧し、オススメ本も20冊を超えてから

そっと出してみましたが、ミーハーだろうと何だろうと、やっぱりベストセラー本は大概面白いのです。

以前、時代物の紹介で山本一力なども紹介しましたが、時代物を書く人は時代物ばかり、という作家も多い中、

宮部みゆきは現代も江戸も自由自在です。しかしこの方の場合、現在ものの中には時々どうにもこうにも救いようのない、

つらくて仕方なくなる話もあるので、ナイーブで切り替えの遅い私としては、例えば「模倣犯」のような作品を読むと、

その後2週間くらい鬱々として過ごしてしまうので、自分の心の健康のために個人的に時代物のほうが好きです。

あくまでも個人的な感覚ですが、時代物のほうが、すこーしノリがライトな気がしています。

山本一力などは、背景や考察などがリアルで詳細で、「江戸時代という時代や文化や風潮や人の考え方を知る」という面で

とても優れていますが、この作品は時代物の中でも敷居が低く、ミステリでもあり、人情味あふれる時代小説でもあり、色々な要素を楽しめる

作品となっていますので、時代小説を食わず嫌いで読んでいないかたにも入門編として非常におすすめな一冊です。

さっくりとあらすじをネタバレすると、江戸は深川。南町奉行所の同心、井筒平四郎は生来面倒くさがりで、

周囲から「ぼんくら」扱いされています。しかし彼は鉄瓶長屋で次々に起きた怪事件に不審の念を抱きます。

長屋の住人が次々と消えていく状況に、平四朗はひっそりと調査を始めていく・・・。面白そうでしょう?

「ぼんくら」は連作短編となっていて、一作一作でも独立して楽しめる作品ですが、読み進めていくと全てが繋がっていることが分かり、

全体の謎が浮かび上がってきます。それがまた面白い。そして長持ち。いつも書くのですが、この“長持ち”というのは、読書好きにとって

大事な要素です。「次何読もう・・」という迷子状態を長く回避できます。ありがたい。

それでは今回はこのへんで。また二週間後に。

前田針灸接骨院 大阪本院 バンドウ