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本日のオススメ本「マリアビートル」(伊坂幸太郎)

毎日の晩酌のアテ(夕ご飯ともいう)を作ることと、朝の息子のお弁当を作ることがけっこう楽しいバンドウです、みなさんこんにちは。

先日息子が今話題の映画『すずめの戸締まり』を観に行って、それに出て来た“ダイジン”というネコのキャラクターがいたく気にいった様子なので調べていたら、ラテアートで描いている人がいて見せると

「すごーい!うまーい!!」と言うので、負けじと“ダイジン”のデコのり弁を作ってみました。

“ダイジン”は、ハンペンにカッティングした海苔を乗せました。ハンペンの下にも海苔が敷いてあります。のり弁だから。ごはんは二層になっていて、真ん中に今ハマっている『ラー油キクラゲ』が敷いてあります。

息子のお弁当は同級生になかなか高評価を得ていて「バンドウの弁当はいっつも豪華やな」などと言ってもらえているそうです。うれしい。

しかし実際のところは、まったくもって豪華などではなく、「豪華」という言葉が表しているように材料の高い素材をふんだんに使っているわけでは全然ないのですが、どうやら息子の周りの男子高校生の語彙力では「手が込んでいる」「工夫を凝らしている」「レパートリーが広い」「アイデアが豊かだ」「飾り付けにもこだわっている」などとさまざまな表現で褒めることができるはずのものが、ぜーんぶまとめていっしょくたに「豪華だ!」、となるようです。

・・・あなたたち文系選択なのにね・・・お母さん、心配よ。( ;∀;)

というわけで、前回もチラリとにおわせました、超面白い本を今日はご紹介しますよ。その名もズバリ、「マリアビートル」。

数多くのヒット作品を世に出している伊坂幸太郎の作品の中に「殺し屋シリーズ」と呼ばれるシリーズが3冊出ていて、その2冊目になる作品です。通常は1冊目からきちんと読むのですが、図書館でたまたま2冊目しかなかったので適当に借りてみたのですが・・・もうこれが・・・面白いったら。

4分の1くらい読んだあたりから、どうしても止められなくなり、風呂にも入らず眠らず、朝の6時半までぶっ続けで読みっぱなしに読んで読み終わり・・・すぐさま大東市の3つある図書館の在庫をオンラインでチェックし、見つけるとわずかに仮眠をとり、9時に家をジャージのまま飛び出し、9時半の図書館開館に合わせておじいちゃんたちとパチンコ屋の開店前のように列に並んで入り、すぐさま借りて帰って残りの2冊も読みつくしました。

 

この作品、何が面白いって、まず1つめは、とにかく伏線の回収が見事!!

前半で無造作にばらまかれた大量の布石が、話が進むにつれ1つ残らず次々と拾い集められ、最後には美しくすっきりと1つのストーリーに収束する快感。

それらの難しい行程を、たった600ページ近くにまとめ上げる天才的なセンス。見事です。

2つめは、それぞれの巻に出てくるそれぞれ強烈なキャラクターの人物たち。魅了されます。読んだ人は必ず「〇〇推し」が発生することでしょう。

あくまでも私の主観ですが、これらの2つの点において、3冊中もっとも際立って面白いのが2冊目のマリアビートルでした。

マリアビートルの主人公は、不運の女神に溺愛されているかのような、そりゃあもう徹底的にツキのない男、七尾。そのついてなさ加減はもはやギャグ。 殺しの実力はピカイチの殺し屋だというのに、本人の状況は常に不運と悲惨の数珠つなぎ。人生ずっと常にそうなので本人も達観気味に悲観的。人の不幸を笑ってはいけませんが、笑わずにはおれません。

個人的に好きだったのは2人組の殺し屋、蜜柑と檸檬。かわいいフルーツの名前がついてはいるものの、2人とも高身長の男で、無情でやり手な殺し屋です。いつも一緒にいるこの2人の会話の掛け合いが楽しいのです。

 

ちょっとだけネタバレになりますが、

蜜柑と檸檬が列車の中である男を探していて、座席に座って寝ているのを見つけました。この男、実は首を折られて殺されたうえで、眠っているように見せかけて座席に座らされているのですが、お調子者の檸檬が「しっかし起きねえな?こいつ」と言うと、一目で死体だと悟った蜜柑が「死んでるんだろ」と言い、檸檬がつついたせいで男の首があり得ない角度にグラリと曲がったのを見て真面目な蜜柑が、まじめに言いました。

「人って寝違えすぎると死ぬんだな」

 

うまい。仕掛けも展開もさながら、会話までも全部。

バンドウはいつか絶対この「人って寝違えすぎると死ぬんだな」を使いたくて仕方がありません。今後一生かけてもその機会をうかがっていく所存です。

 

さてこの作品、実はアメリカの監督が大いに気に入って作者に「ぜひ脚本を使わせてくれ」と交渉して買い取り、映画化されました。それが、ついこの間まで上映していた、ブラッドピット主演の「ブれット・トレイン」です。

 

「最悪が止まらねぇ」

はい、七尾の人生にキャッチコピーをつけるならこれで間違いありません。(笑)

何を隠そう、偶然にもこの「ブレット・トレイン」、本日12月7日、ビデオレンタル開始です。(GEO情報)

私は今日、会社の帰りに借りに走りますよ。

でも、まずは本の方をオススメします。ぜひ。ぜひぜひ。

それではまた2週間後に。

 

前田針灸接骨院 大阪本院 バンドウ