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独歩を妨げる股関節の硬さとその改善方法
もし、あなたのお子さんの股関節が硬く、足がピーンと突っ張るようなら、本日のブログはお役に立てるかもしれません。
股関節という関節は、骨盤と太ももの骨の組み合わせで出来ていますが、股関節の硬さは単なる足の曲げ伸ばしだけでなく、実は姿勢や歩行にも大きく関わってきます。
- 股関節が柔らかいと足と足の間をしっかり広げることができ、左右のふらつきに対してバランスを取りやすくなります。結果、転びにくくなるでしょう。
- 股関節が柔らかいと骨盤がしっかり立ち、歩く時に骨盤の上下動がスムーズになります。骨盤の上下動がスムーズだと推進力が生まれるので、歩いていても疲れにくく、お子さんが歩ける距離や時間も伸びるでしょう。
- 股関節が柔らかいと骨盤がしっかり立ち、立った時の姿勢が良くなり、立っているのが楽になるでしょう。
逆に、股関節が硬く、しっかりと伸ばせないような状態だと・・・
前かがみの姿勢になってしまいます。ちょうど、30度くらいのお辞儀をしているような姿勢です。このような姿勢だと上半身が前に倒れないように、背中やお尻、太もも後面の筋肉がずーっと緊張した状態になります。
それに、このような前かがみの姿勢だとスムーズに歩けません。
足の後面の筋肉が突っ張って、足が前に出づらくなるためです。それに、軽く膝を曲げて、前にかがんだ上半身を起こそうとします。こうなると股関節も膝も常に軽く曲げた状態になり、骨盤の上下動が少なくなります。
これが典型的な疲れる歩き方の代表例です。
自転車に乗っていて、下り坂でつけた勢いそのままに上り坂を登るのと、上り坂のふもとから自転車をこぎ始めるのでは、しんどさが全然違いますよね。
股関節や膝が伸び切らない歩き方では、これと同じようなことが起こります。
ジェットコースターが、かなりのスピード走行できるのも、スノーボードのハーフパイプで高いジャンプができるのも生まれた推進力を効率よく利用しているからです。
歩行に関しても同じです。骨盤の上下動を利用して生まれた推進力を効率良く利用するため長い距離が歩けます。
楽しく遊ぶために公園に行くのに、公園まで歩くと疲れてしまう!では本末転倒ですよね。このようにお子さんのスムーズな歩行のためにも股関節の柔軟性は必要です。
今日は、そんな股関節へのアプローチ方法をお伝えします。
このアプローチ方法は、たった2つのことを注意するだけです。
すべての人に共通したある法則をベースにしているため、誰がやってもある程度、同じ効果が期待できます。ご病気の有無は関係ありません。それに強い力や難しい技術も必要ありません。
ぜひ、日々のリハビリに取り入れて頂いて、お子さんの独歩につなげて頂ければ幸いです。
それでは、リハビリ方法をご説明させて頂きます。
まずは、お子さんに上向きに寝てもらい、あなたの右手でお子さんの右足のかかとを持ちます。左手はお子さんの右膝の外側に添えます。
そのまま右手で持ったお子さんのかかとをお子さんの股関節やおへその方に近づけるように右股関節と右膝を曲げ伸ばしを繰り返し行います。
膝の向きを内向き、正面、外向きと少しづつ変えながら繰り返し曲げ伸ばしします。
1つ目の注意ポイントはここです。
必ず、かかとが股関節やおへそに向かう方向へ誘導することです。
良くある間違いはこうです。
このやり方だと比較的大きな筋肉に刺激が入ります。大きな筋肉は、どちらかというと”パワー”を生むように働きます。そのため関節を安定させて姿勢を改善するには不向きな運動となります。
まずは、関節を安定させる細かな筋肉に刺激が入る、このやり方から実践していただくことをオススメします。
2つ目の注意ポイントです。
股関節や膝を繰り返し曲げ伸ばしして頂くのですが、この時、足が突っ張ったり、関節が硬くて十分に曲げ伸ばしできない場合は、無理に曲げようとせず、曲がる範囲内で曲げ伸ばしを繰り返してください。無理に曲げようとすると、関節を傷めてしまう可能性があります。
(股関節の臼蓋形成不全や変形性股関節症の方には、特に注意が必要になります。)
弱い力でスムーズに、関節が曲がる範囲内でお願いします。
こういったアプローチで、関節の細かい筋肉に刺激が入り、体幹がしっかりすることにもつながります。そのため座位や立位姿勢の安定にも有効なアプローチと言えるでしょう。
もし、こういったアプローチを実践して頂いても、股関節の硬さが残り、姿勢や歩行の改善が見られないようであれば、一度、当院を受診ください。専門的な知識と技術を持った施術者による施術が必要な状態だと言えるでしょう。
90年以上の歴史を持ち、難病と言われるご病気をお持ちの患者さんと向き合い、培ってきた知識と技術を駆使して対応させていただくことをお約束いたします。
- まだ、フラフラするけど両手を上げながらでも立って、バランスを取り『二ヤ~』とドヤ顔する瞬間。
- ちょっと泣きそうな顔で、つかまり立ちから、頑張って手を放して1,2歩、あなたに向かって歩き出す姿。
- 『ただいま~』のあなたの声に、“ヨイショ、ヨイショ”と頑張ってお出迎えしてくれる。
そんな日が、あなたにも訪れるように、当院はあなたを全力でサポートさせて頂きます。
指頭感覚法 担当:裏戸 雅行