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熱血笹山先生の深イイ話 第16話(運動場除草大会)

このお話は当院に通院されている
熱血佐々山先生の手記です

 

 

まずはこちらを読んでから・・・

 

第1話 http://ameblo.jp/tametame0429/entry-11275427207.html
第2話 http://ameblo.jp/tametame0429/entry-11292330615.html
第3話 http://ameblo.jp/tametame0429/entry-11299626805.html
第4話 http://ameblo.jp/tametame0429/entry-11309189253.html
第5話 http://ameblo.jp/tametame0429/entry-11324666875.html
第6話 http://ameblo.jp/tametame0429/entry-11330061045.html
第7話 http://ameblo.jp/tametame0429/entry-11334188025.html
第8話 http://ameblo.jp/tametame0429/entry-11334196836.html
第9話 http://ameblo.jp/tametame0429/entry-11357505148.html
第10話 http://ameblo.jp/tametame0429/entry-11367624292.html
第11話 http://ameblo.jp/tametame0429/entry-11367628127.html
第12話 http://ameblo.jp/tametame0429/entry-11367631832.html
第13話 http://ameblo.jp/tametame0429/entry-11381679293.html
第14話 http://ameblo.jp/tametame0429/entry-11381684221.html
第15話 http://ameblo.jp/tametame0429/entry-11385905783.html

 

深イイ話 第16話(運動場除草大会)

 

 

体育祭の前には運動場の草引き(除草作業)をするのが恒例となっていた。担当は体育祭を主催する生徒会だった。草引きは体育祭の二週間前頃と直前の二回、午後の5・6限の授業をカットして行われていた。授業をカットして行われているので、草引きを早く終えても下校時刻は同じだった。学校は5・6限の授業をカットして草引きを行っているのだから、下校時刻は平常時と同じだった。生徒にとっては早く終わっても、下校時刻が同じという魅力のない行事でダラダラ作業していた。私も生徒だったら同じ気持ちだと思った。草引きの目的は除草することであって、平常時と同じ時刻に下校させることではない。
そこで私は草引きに意欲的に取り組むように、早く草引きを終えたクラスは早く下校できるようにした。私が草の密集度などを検討し区割りし、クラスの室長にクジを引かせ除草場所を抽選で選ばせたのだ。抽選日に生徒会室に室長を集合させ抽選会をした。A・K・Bのジャンケン大会ではないが大いに盛り上がった。一位のクラス(一番早く草引きを終えるクラス)を予想するものの現れ、作業の日が近づいて来るとどうすれば早く草が引けるか、各クラスで作戦が練られるようになり各クラスが血走ってきた。前日には、「先生、明日、雨降ったらどうなるの?延期になるの?」と天候まで気にする者まででてきて、さながら「グランド草引き大会」のようになってきた。昨年までは「明日、雨降ったら草引き延期になってラッキーやのになあ。」と言っていたのとは大違いだ。当日、各クラスはやる気満々で昼食休憩が終わる前にはグランドへ集合し、全クラスが6限目までにどうすれば早く草が引けるか、各クラスで作戦が練られるようになり除草作業を終えた。一番早く終えたクラスは5限目の途中で終了し、全員が誇らしげな顔をしていた。また、他のクラスの生徒も草引きという作業を終えて充実した顔をしていた。大多数の教師は、「こんなに早く済むんやったら、6限目はカットしなくてよかったな」と言っていた。授業時間の確保は大事だ。しかし、学校に生徒が充実感を感じるものがあるだろうか。年に一度くらい充実感を感じるものがあってもいいと思う。“草引き”というつまらない作業でも工夫しだいで充実感が得られる場合がある。
学校は本来、面白いところだ。私が教師になった頃は、謹慎生徒の家庭を訪問すれば、「今日、学校でなんか面白いことあったか。」と必ず生徒に訊かれた。最近はそんなことを訊く生徒はいない。昔は勉強は嫌いだが、学校は好きだという生徒がいた。謹慎を早く解除してほしいのは、早く学校へ行きたかったからだろう。いつから学校が面白いところではなくなってしまったのだろう。私は工夫しだいでいくらでも学校を面白いところにできると思う。

 

TEL.072-873-7171
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