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本日のオススメ本「蜜蜂と遠雷」(みつばちとえんらい)/恩田陸(おんだりく)
「ここを制した者は世界最高峰のS国際ピアノコンクールで優勝する」というジンクスをもち、近年高い注目を浴びる芳ヶ江(よしがえ)国際ピアノコンクール。ピアノの天才達が集うこのコンクールの予選会に、若き4人のピアニストが現れる。7年前の突然の失踪から再起を目指す元・天才少女、英伝亜夜(松岡茉優)。“生活者の音楽”を掲げ、最後のコンクールに挑むサラリーマン奏者、高島明石(松坂桃李)。人気実力を兼ね備えた優勝大本命、マサル(森崎ウィン)。今は亡き“ピアノの神”からの「推薦状」を持つ謎の少年、風間塵(鈴鹿央士)。熱い“戦い”を経て、互いに刺激し合い、葛藤し、成長を遂げ<覚醒>していく4人―。その先に待ち受ける運命とは。
私はピアノのなんたるかを全く分かっていないど素人なので、実際にピアノ演奏を聴くぶんには、わかっている人たちの言う「癖」だとか「個性」だとかは、同じ曲を弾かれたらまったくわからず、「すごく上手い」かそうでないか、の2択なのだけれど、この本の中では、TOP演奏者のそれぞれの個性や違いがはっきりと認識でき、そのそれぞれの違いのある旋律でもって実際に聴こえてくるような錯覚と臨場感を覚える。
違いを文字であらわすことが難しいはずの“音楽”を、活字で表現する手腕がとにかく圧巻。風景や色彩、音楽に対する思いに託し、ありとあらゆる言葉を駆使して表現されている。
一口に作家といってもいろいろだと思うけれど、その“言葉の専門職”の中でも間違いなく語彙の豊富さ、文章の見事さでTOPだと思う。
驚異的かつ圧倒的な文才に畏怖すら感じる一冊。これだけの表現は、おそらくは英語ではできないんじゃないかと思う。(知らないけど)(笑)
日本語って、難しいけど、やっぱりすばらしい。そんなことも感じる一冊。
前田針灸接骨院 本院 ばんどう