- 院長コラム
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森林浴とフィトンチッドの浄化作用
皆さん
お元気でしょうか?このコラムで時々ご紹介している、我が家のチャチャ(パグ犬・14歳半 おばあちゃん)は
とうとう自力で立つことができず、現在は介護が欠かせない状態となってしまいました。
とわ言っても足腰が弱っているだけで、食欲は旺盛で、よく吠えよく寝ます。
何かと気力はありそうなので、まだまだ頑張って長生きしてくれると思います。
私はハイキングや登山、キャンプなど山でのアウトドアが趣味でですが、
最近ではチャチャとの時間を大切に…このような介護状態でありますが、
室内ばかりではなく、チャチャをおんぶして一緒に出掛け、日光浴や森林浴などフィトンチッド
を吸収するために自然界への外出を心がけています(^^)/
えっ! そのフィトンチッってなに?
今回の ”ちょっと診ましょう” は
チャチャと出かける森林の中での『フィトンチット』についてお話いたします。
よく森林浴やマイナスイオンが健康に良いと聞いたことがあると思いますが…
皆さんも、山中に入ると気持がリラックスし、体内の細胞が活発になるような体感など…
感じたことはありませんか?
今の季節は特に新緑が芽生え、鶯などの鳥のさえずり、気温も過ごしやすく、日光の日差しが気持ちよいと感じる季節です。
このような気持ち良さを感じるのは、まさにフィトンチツドの効果なのです。
私は山中に入ると、わざとオーバーに深呼吸をして、五感をフルに使い、心と身体に呼びかけながら、自然界からのエネルギーを感じるようにしています。
皆さんはあまり『フィトンチッド』と言う名称を聞いたことがないと思いますが、
東洋医学の考えとしても、とても関連があるのですよ。
フィトンチッドとは
ハイキングなどで山中に入ると、土の香り草花や森林の香りがしますが、
この正体が「フィトンチッド」です。
植物から発出されるフィトンチッドは、カビや菌・虫などから身を守るため葉や幹から発散している『揮発性物質』”きはつせい” が、防カビ・防菌・防虫効果の他、
空気を浄化・消臭する働きしているのです。
森林の中には、動物の糞尿や死骸などたくさんありますが、それらはすごく悪臭するはずなのに山中では臭いも発することもなく浄化されているのです。
※「揮発性」”きはつせい” とは…?
常温でも液体が気体になる性質のことです。
東洋医学など代替え医療では森林浴やマイナスイオンの環境下で、呼吸法やヨガなど自然療法として取り入れられてるセラピストもいますが、まさにフィトンチッドの効果が身体に良い影響を及ぼしているからなのです。
森林浴について…
フィトンチッドの主成分は、テルペン類と呼ばれる有機化合物であり、
さまざまな植物(とくに樹木に多い)が自ら作り出している『揮発性物質』なのです。
そして、植物が作り出したテルペン類を人間が浴びることを「森林浴」と呼びます。森林浴セラピーとして効果をもたらす森の新鮮な香り(なんだか気持ちよくなる香)は ”フィトンチッド” が脳の臭覚を介して身体へ影響しているのですが、この ”気持ちいい~” 気分は人間の脳内神経伝達物質・オキシトシン(幸せホルモン)にも影響していると私は推測いたします。
結果的に…森林浴⇒フィトンチッド吸収⇒脳神経伝達物質(オキシトシン・セロトニン・ドーパミン分泌)⇒幸せな気分⇒やる気アップ⇒免疫力アップ⇒自然治癒力⇒病気改善⇒健康になる
また、森林浴と共に日光浴も凄く大切です…
皆さんご存じの通り、樹木は「光合成」を行うことのより、太陽の光エネルギーを利用して、炭酸ガスと水から炭水化物を作り、酸素を放出し、更に樹木はフィトンチッドなどの成分を作り出します。
人は太陽の光を浴びるだけで、脳内神経伝達物質として、セロトニン、ドーパミンが活動的になり、やる気が増し免疫力が向上し元気になります。
天気が悪い日が続き、日光に当たらず毎日暗い場所で生活していると、憂鬱になり、気持ちが落ち込み、更にストレスやイライラが重なると、うつ病や不安神経症を発症し、時には統合失調症など精神的な心の病に発展することがあります。
近年の研究でこのような状況下で森林浴を30分以上行うとこなうと、数週間〜1ヶ月間は免疫力が向上し、自律神経が安定しして、病気が改善できたという報告があります。
日焼けはシミやそばかす、皮膚がんの原因になるからと、日光浴を避ける人が増えていますが、日焼けをしない程度に日光を浴びることは大切なのです。
(特に朝日光を浴びると神経伝達物質・セロトニンが放出されます。)
都会に住んでいる人や足腰が弱い人は、日常的に山へ出かけることが難しいと思いますが、月に1回でも自然の中(緑地公園なども可)でフィトンチッド(森林浴)を浴びるだけでも十分に健康への効果があります。
※最近ではバリアフリー化が進みロープウェイやゴンドラに乗って山頂を楽しめる山もあります。
(大阪府の葛城高原は車いすでもロープウェイで山頂に登れます)
植物が備えているフィトンチッドの主な働き
⇓
成長阻害作用(他の植物の成長をさまたげる)
摂食阻害作用(昆虫や動物に葉や幹を食べられないようにする)
誘引作用(植物が好きな昆虫や微生物を引き寄せる)
忌避作用(植物が嫌いな昆虫や微生物を遠ざける)
殺虫作用(植物が嫌いな昆虫類を殺す)
殺菌作用(病気を及ぼす菌に感染しないように嫌いな菌を殺す)
情報伝達(香りを空気中に飛ばし、他の植物同士の仲間と連絡を取り合っている)
フィトンチッドは、植物の健康を保ち、外敵から身を守るための「薬」と言えるのです。
これらフィトンチッド『薬』が人体にも影響しています。
私達人間も植物を愛し、五感を使って木々や花と会話することで、
自律神経が整い、免疫が上がり、身体から悪い気が出ていき、毒素物質など組織が浄化され健康へと導かれるのですよ。
我が家と本院エントランスには妻が育てているお花が元気よく咲いていて、毎日お花とお話ししています。
そして、私は施術中に難病を抱えている患者様や、うつ・不安など精神的に病んでいる患者との会話の中で、山行きをおすすめしています。
自力で山道を登れなくても、ロープウェイやケイブル・ゴンドラに乗って行くこともできますし、
山麓の公園や街中の緑地公園でもいいと思います。
とにかくコンクリートや電線のある場所から離れ、自然環境のある場所へ行く事!
大きな呼吸をして、五感で自然を感じ取り、少し大きな声を出して会話する、そしてオーバーアクションで笑う…
などお伝えしています。
是非!診療中にでも山のお話しやキャンプのお話、チャチャの今をお伝えできればと思っています。
お気軽にお声掛けくださいませ!
話し出すときりがないので、今日はこのあたりで終了いたします…
院長
前田為康
おまけ…
チャチャとフィトンチッドを求めて外出写真のいろいろ…
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