院長コラム

Director's Blog

新脳針と『ニューロモデュレーション』治療法

まもなく私の大好きな春がやってきます。
皆さまお元気でしょうか?

春は新しい新芽が芽生え、花が咲く季節です。
私達の人体も同じく新たな神経細胞が活性化し神経のネットワークもつながりやすい季節となります。

大いに春を満喫し楽しい生活を送りたいものですね!

銀座針灸院前の銀座桜通りの桜ももうすぐ咲き始めますよ!(この写真は昨年の銀座桜通りの写真です。)

楽しみです(^^)/

 

 

さて、今回の ”ちょっと診ましょう” は・・・
当院開発の新脳針と『ニューロモデュレーション』治療法=鍼通電についてお話いたします。

当院は日本では古い鍼灸家系であります。
大正14年に私の祖父 前田喜與松漢方薬産地の奈良県吉野白銀村で生まれ、幼少期から青年期まで白銀村で過ごし、その後大阪の明治鍼灸学校の研究生として入門・・・大正14年に大阪市内で鍼灸院・漢方薬局を開院いたしました。

その後、第二次世界大戦など大阪大空襲で治療院は全焼し、現在の大東市に移転し現在に至ります。

父・昌司は2代目として前田針灸接骨院として家業を継承、
来年で創業100年を迎えます。
(上の写真・・・初代、喜與松の治療院で昌司が患者様を施術している風景)

数々の臨床体験から脳の研究に勤しみ独自の頭皮鍼(新脳針)を世界鍼灸学会で発表・、最優秀論文賞もいただき、
その手法を『新脳針』として命名し登録商標の申請を致しました。

(新脳針とは頭部に刺鍼し、その針に電極を繋げ0.7㎜アンペア超微弱電流を通電する画期的な鍼灸術です。
HPより⇒ https://ginza-shinkyu.com/shinnoushin/


特に耳周辺にある・・・耳門・聴宮・聴会は迷走神経をニューロモデュレーションとして刺激する特効穴であり、
配穴としてよく選びます。

 

 

 

そして私は新脳針を更に追及するために大阪大学医学部の神経機能形態学のラボ室でマウスを使い、ニューロモデュレーショの研究を重ねてきました。

【二ユーロモデュレーションとは】
Neuro+Modlutaion「ニューロは神経」「モデュレーションは調整」と訳し、
電気刺激機器を用いて電気や電磁波などで神経を刺激して動きを調整する治療法の事】

 

阪大マウス実験

またその刺激は脳神経では確率共振反応(通電によるノイズや振動などの響き)として皮膚組織や神経細胞などが
神経のネットワークを拡大させる効果からも鍼通電のすばらしさを実感いたしました。

 

これまでの東洋医学・鍼灸の治療メカニズムは
中国3000年の歴史がある中医の学問や臨床経験上からまとめられた文献もたくさんあります。
しかし、それらは『自然治癒力』や『自律神経のバランス』と言った、抽象的な概念でしか説明ができていませんでした。(その説明も大変すばらしいことではありますが・・・)最近、さまざまな神経科学・神経生理の研究から鍼灸の治療メカニズムのひとつは、『二ユーロモデュレーション』であると分かってきました。

最近NHKの東洋医学番組で『二ユーロモデュレーション』が取り上げられていました。

NHK HPより

https://www.nhk.jp/p/frontiers/ts/PM34JL2L14/episode/te/JYXKX231Y3/

それは札幌の北海道大学 医学部 免疫学教室の村上正晃教授のグループが神経と免疫について研究が放映されていました。

以下、NHK・東洋医学の番組をまとめてみました。
【いま!鍼に微弱な電気を流してツボを刺激する鍼通電と呼ばれる方法が注目を浴びている】

鍼灸治療をより効果を大きくする方法が鍼通電し身体に持続的な刺激が注入できるので、より効果が発揮されやすい。
例えば・・・脳と耳に電気刺激を通電する方法=経皮的耳介迷走神経刺激 (taVNS) は脳と耳から発する迷走神経は体内に伸びて各臓器への迷走する様に神経が走っています。

 

各臓器から放出される神経伝達物質が各臓器のシグナルをメッセンジャー物質が伝達し臓器同士の会話が発されています。

神経伝達物質の一つであるドーパミンも迷走神経からの刺激で内臓から分泌されることがわかってきました。


私たちが今までの臨床経験上の効果・・・ ”新脳針”
この50年間当院が取り組んできた新脳針療法とも科学的に関連しているのだと・・・とても印象的でした。

 

 

現在、北海道大学医学部では現在は重症化した炎症疾患でニューロモデュレーションの効果の検証をしているそうですが、将来は、非常に小さな炎症『病気のタネ』=『病気を引き起こす因子』をニューロモデュレーションで抑え込み、『病気にさせない治療法』・・・つまり『ニューロモデュレーションで病気の種を治療する』事を可能にする・・・このような検証をしているそうです。

 

 

 

【さまざまなストレスが炎症を引き起こす】

近年、病原体の感染だけでなく、過剰な炎症を引き起こす、意外な原因が明らかになっています。

微小な炎症がおきる仕組みの一つ “ゲートウェイ反射” と呼ばれる心理的ストレスや光などの環境的なさまざまなストレスが引き金となりや悪質な刺激となり体の中で『病気の種』と呼ぶ微少な炎症がおきる事っがわかってきました。

私達の身体に心理的ストレスや光などの環境刺激が加わると特定のの神経回路が活性化され、一部の血管の近くに神経伝達物質が分泌されると刺激を受けた血管の隙間が緩みゲートが作られる炎症を引き起こすそうです。

【自己反応性T細胞 免疫細胞が組織の中に侵入する免疫細胞は周囲の組織を攻撃】

この炎症がさまざまな病気の種を引き起こす原因となるゲートウェイ反射は血管の周囲に微少な炎症を引き起こす事から始まり、その微少な炎症が維持・拡大することで、どんどん病気が慢性炎症に繋がり、さまざまな炎症性疾患やアレルギー疾患につながる現象となるそうです。

つまり・・・”さまざまな病気は『小さな炎症』が原因である” と言えるのです。

 

 

以上、NHK 東洋医学とは・・・
より少しご紹介いたしました。

 

最後に・・・

東洋医学には病気を未然に治す『治未病』と言う考え方があります。

今回私達が施術の手法としてニューロモデュレーション治療は『新脳針』とまさに病気を未然に治すには
共通点があり、つまり病気にさせない治療法の開発に繋がります。
『予防医学』=『未病を防ぐ』
これから人体の細胞や組織、神経など科学を追求した西洋医学とこれまでのとして人類が数万年前から育んできた伝統的・経験医学の東洋医学の融合が、さまざまな難病を克服できる事を私は進めたいと思っています。

その本当の力が解明される最先端の医療と融合した時、どんな未来が待っているのか…私はとても楽しみです。

 

院長

前田為康