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セオリーとは逆でも改善する歩行 *動画アリ
先日、あるアドバイスを患者さんにしました。
そのアドバイスは、セオリーとは全く逆だったのですが、歩行の改善が見られました。今日はその話をしたいと思います。常識とは逆を行くことも時と場合によっては『あり』じゃないかと・・・。
舟木さん(仮名)は普段から杖を突いて歩かれています。
理由は2つあって、1つは基礎疾患をお持ちで歩行時にフラつくことがあるため、もう1つは左膝に痛みがあるためです。
そのため、杖をいつも右手に持たれていました。
これは左膝にかかる荷重を軽減し、痛みを抑えるためです。杖は痛む膝と反対の手に持つ。セオリー通りではこうなります。
ですが、私は舟木さんに、こうアドバイスしました。
「杖を左手で持って歩きましょう。」
なぜでしょう?
(*患者さんの了承を得て動画をアップさせて頂いております。ご協力いただき、心より感謝申し上げます。)
理由は、2つあります。
1つ目が、『左足だけで歩く歩行を改善するため』です。
右手に杖を持った舟木さんは、右手で杖を着くため、右手~右肩を前に出して、上半身が左回旋します。この状態で左足を踏み出すため、上半身と下半身が逆の動きになります。ちょうど体幹を捻るように。そうすると左膝が伸び、突っ張った状態で足を着くことになり、膝への衝撃が大きくなります。
これが左膝の痛みの原因だと考えたからです。
2つ目が、『左足の踏み出しに、体幹を連動させるため』です。
言ってみれば、これは1つ目の理由の改善策です。
左手で杖を持つと、舟木さんは左足の接地と連動して杖を着くことに。そうすると左手~左肩が前に出て、体幹が右回旋します。こうなると左足の踏み出しに体幹が連動するので自然と膝の突っ張りが緩みます。必然的に膝のクッション作用が上手く働きます。
だから、こうアドバイスさせていただきました。
「左手で杖を持って歩きましょう。」と。
舟木さんに実際に左手に持って歩いてもらうと・・・。
舟木さん:「左手に杖を持つことに、何か慣れないです。」
私:「そうですよね~。」
舟木さん:「でも、ちょっといい感じ。歩きやすい気がします。」
舟木さん:「ちょっと続けてみます♪」
確かに、すぐには慣れないかもしれません。
利き手の右手から急に左手に変えるわけですし、歩行時のふらつきもお持ちです。
でも、感触は上々。
動画は見て頂けたでしょうか?
常識にはとらわれず、セオリーとは違ったとしても、杖を持ち変えるだけでも、
歩行は変わります。
患者さんの姿勢、動き、状態を見極める。
これがやっぱり大事なんではないでしょうか?
もっと患者さんに貢献できるように!
これからも施術を通じて頑張っていきます♪
裏戸 雅行
追伸:私が主に担当させて頂いている『指頭感覚法』はこんな感じです(笑)。