院長コラム『ちょっと診ましょう』

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院長コラム

NO7. 脳の構造と新脳針

NO.7 脳の構造と新脳針

梅雨本番!
いよいよ夏の到来に、身体も自然界に沿って順化しようとしている頃だと思います。
皆様の体調はいかがでしょうか?

さて、
皆様が鍼治療を受けていると、弾けるような感覚など不思議な感覚に遭遇する事がありませんか?
鍼を打った後、刺入し反応ポイントに達した時に独特の “ズン” とくる響き感というものを感じられた事があると思います。
患者様は『バーン!』や『ズーン!』 という表現をよく使いますが、
それを私たちは専門的に『響き』や『得気・とっき』と言います。
この得気と呼ばれる感覚は鍼の痛みや特殊な感覚を脳まで伝える神経の性質によるものとして科学的に解明しようと研究がおこなわれています。

私はその得気感覚を伝える神経には2種類あると思ております。
①『鋭く速い痛みを伝える細い神経』…するどく速い
②『鈍く重い痛みを伝える太い神経』…にぶく遅い

鍼治療で刺激されるのは②がほとんどであり、
例えば②の鈍く重い感覚は、①の鈍い痛み(痛みというよりも重さが勝る感覚)は、鋭く速い痛みの神経よりも脳に認識されやすいので、鋭い痛みを打ち消すことが出来るのだと考えています。
つまり鍼で痛みが和らぐのはこういった理由から起きているのかもしれません。

 

 

得気について、中国では『循経感伝現象』として研究がおこなわれ、、
日本では軸索流説(得気が発生した時に、大脳皮質や海馬、視床などの活動電位を抑制し特定脳領域に伝搬する説)やポリモーダル受容器興奮説(感受性の高まり)など得気の発生機序や効果のメカニズムについて研究しているグループもあります、しかし神経生理学的にはまだまだ解明するには時間がかかり、詳しいメカニズムは明らかにされていません。

そして、得気はただ刺鍼した時に発生するだけではなく、
得気を引き起こさせる鍼灸の手技があり、
その一つとして『雀琢術 じゃくたくじゅつ』があります。
(打った鍼を抜かずに上下に刺入れを繰り返す術)
雀琢術は鍼から伝わる重圧や振動が反応ポイントに響きます。

また、新脳針は頭皮に針を打ち0,7ミリアンペアの超微弱電流(微小電極法)を流し、その振動が反応ポイントに響くのです。
微弱電流の周波数は1㎐に合わせる事が多いのですが、この刺激は雀琢術の刺激によく似ており、その刺激の振動が共鳴反応として脳の神経インパルスの発射活動を引き起こさせます。
新脳針の微小電極法と雀琢などの手技はよく似た関係があると考えられます。

鍼灸などの治療効果をはじめ東洋医学全般は、科学的な根拠が解明されていない事が少なくありませんが、特に鍼灸医学は中国で生まれ3000年の歴史があります。そして各国に伝統医学として受け継がれ現代に至っているのです。

近代では鍼灸は人体が備え持つ本来の自然治癒力を高めさまざまな因子との関連する研究が行われ、特に神経伝達物質が発する神経ネットワークやメッセンジャー物質の臓器同士の会話など…、
とても関連性があると私は考えています。
私たちの新脳針もその一つであり、新脳針がもたらす神秘的な施術の世界を通じて
患者様と共に喜びあえる感動的な仕事を楽しみたいと思っております。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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