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取り戻せた右手の自由 ~書痙~

取り戻せた右手の自由

1度はあきらめて、左手で字を書いたり、

お箸を使う練習をしていましたが…

今では右手でできるように!

 

今回のブログは、当院の施術を通じて、患者さんの笑顔につながる結果を得られた症例をご紹介したいと思います。同じような症状でお困りの方や鍼治療に興味をお持ちの方のお役に立てれば幸いです。

今回の症例は ”書痙” です。

皆さんは『書痙』をご存知でしょうか? 多くの方が初めて目にする言葉だと思いますので、簡単にご説明させていただきます。

書痙とは、字を書こうとする時、または字を書いている最中に、手が振え(振戦)、または痛み(疼痛)が発生し、字を書くことが困難となる書字障害のことです。

今回、ご紹介させていただく、松本 和正 さん(仮名)の主な症状も『右手の指に力が入り、つっぱり、思いっきり開いてしまう』といった症状がありました。

 

(吉川先生に、初診時に診させていただいた時の様子を再現していただきました。)

4,5年前からたびたび右手の指に力が入る感覚があったそうです。

それが来院、半年前から親指と人差し指に力が入る頻度が増え、特にお箸やペンを持つときに症状が悪化するといった状態でした。1度は右手をあきらめて、左手でお箸を使ったり、字を書く練習をするほどに。

このような状態で、当院に初めて来院されたのが、3月のことでした。

今回、松本 和正さん(仮名)は、吉川先生が担当となり、施術することに。

施術経過

施術開始から5回目までの経過は順調で、手が開いて突っ張る感覚がだんだん軽減しているのを、ご本人さんも自覚されていました。

このまま順調に症状が改善できればと考えていたのですが… やはり難しいご病気なので、そう簡単にはいきませんでした。

夏場(7月)に入って、風邪をひいたり、消化器系のトラブルが重なったりして、体調があまり思わしくない時期が続き、手の症状も…。原因やキッカケはわからないものの、『右手が勝手に動いてしまう』まで症状は悪化してしまいました。

この時期は、さすがに『まずいなぁ・・・』って感じていたと、後々、吉川先生は話してくれました。

再度、病院を受診し、お薬による治療とボトックス注射を試してみることを選択されたのですが、手の感覚が鈍り、余計に動かしにくくなったため、ボトックス注射は控え、松本 和正さん(仮名)はお薬による治療と鍼治療に専念することを決断されました。

今思えば、この時期が松本 和正さん(仮名)にとって、一番つらい時期だったのかもしれません。

しかし、8月半ばには、7月から発症していた『手が勝手に動いてしまう』症状が消失。

9月、指のツッパリからか、炎症を起こし、指に痛みを伴う時期もあったのですが、それを乗り越えてからは良好な経過をたどられます。

症状の消失へ

手の症状も、徐々に改善が診られ、11月にはスマホを右手で片手操作できるようになり、PC作業も不自由なく行えるようにまで回復しました。

12月には、施術開始当初からあった指のツッパリや反り返りも消失、右手でお箸を使えるようになるまでに改善しました。

約8か月間で30回の施術を受けて頂きました。3月から開始し、7,8月の夏場に1度、症状が悪化することもありました。それを乗り越えてからは、順調な経過で日に日に症状も改善していきました。

お時間はかかりましたが、最終的には松本 和正さん(仮名)の笑顔につながる良好な結果を得られた症例です。

吉川先生のコメント

『今回の施術に関して、特別いつもより何か、意識して取り組んだわけではないですが、どの患者さんを担当させていただいても、

  • ”患者さんに出来るだけ寄り添って、二人三脚の治療をする。”
  • “針1本1本の深さ、角度、意味合いを考えて、最短で症状を改善させる。”

この2つを考えながら、いつも治療をしています。』

『施術時間は1時間ほどです。それ以外のお時間…日々の食事、睡眠時間、セルフケアといった日常生活でできることもお伝えします。なぜなら、患者さんと施術者が一緒になって症状の改善に取り組むことが大事だと考えるからです。』

『今回は ”書痙” という難しい病気でしたが、松本 和正さん(仮名)と色々と相談しながら治療を進めたのが良い結果につながったのではないかなぁ…と思っています。』

『難病だけじゃなく、そうでない疾患に対しても、あきらめずトライする事が大事です。色々試してダメだった方も、ぜひ1度、当院の針施術 ”新脳針”にトライすることをおすすめします。』

 

裏戸 雅行