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宿泊集中治療をされた進行性核上性麻痺のHさんのリセプター療法の経過について

こんにちは!大阪本院プログラム担当の太田です

少しずつ過ごしやすい季節になってまいりましたが皆様いかがお過ごしでしょうか。

過ごしやすくはなりましたが寒暖差が激しく自律神経が乱れやすい季節でもありますので体調管理をしっかりと行いましょう

 

さて、今回も宿泊集中治療をされた患者さんのリセプター療法の経過を報告致します。

先ず進行性核上性麻痺について少しだけご紹介します。
進行性核上性麻痺は脳の大脳基底核、脳幹、小脳などの神経細胞が減少していく病気で、フラつき、転倒、呂律が回らない、飲み込みづらいなど他にも様々な症状が現れます。

Hさんはフラつき、後方転倒、最初の一歩が出づらいなどの症状が見られたのでリセプター療法では主にバランス感覚を養う
事を目的としたメニューを行いました。

行ったメニューは
バランスディスク、スクワット動作、アラジン(ブランコ)、ハードルなど様々なメニューを用いてフラつき、歩行、転倒に対して

アプローチしました。

ここからは一つ一つのメニューに対してどのような変化が見られたのかを一部ご紹介します。

・バランスディスク

 

バランスディスクを肩幅の広さに2つ並べその上でバランスをとるメニューです。
一見簡単そうに思われますが結構難しく、足の置く位置、足首の角度、膝の曲げ具合、重心の位置など
たくさんの条件をクリアしなければバランスを取ることができません。
Hさんも初めにしたときは上手くいかずバランスを崩してばかりでした。特に後方転倒もあることから踵に重心が乗り
後ろに落ちることが多かったです。そこで先ずは足の親指の付け根に体重を乗せることを意識しましょう!
と伝えたところ、後ろに崩れることが無くなり少しずつバランスが取れるようになりました。あとは細かいところを都度伝え
修正を加えていきました。お帰りになられる日には1分程バランスが取れるようになりました!

 

・ハードル

小さいハードルと大きいハードルがありそれらを等間隔におきます。その間に足を運んで歩くというメニューです。
このメニューもすごくシンプルですが一歩が出にくい、躓きやすい、転びやすいといった方に凄く有効的だと考えます。
目の前に乗り越えなければならない障害物があると人は反射的に足を上げます。この反応をうまく利用しながら
一歩目が出ない、足が上がりづらいなどの症状にアプローチします。
Hさんはまずは小さなハードルから始めていきました。このいきなり大きいのからではないというのがとても大事です!
難易度が低いのをクリアすることで一つの成功体験が生まれますそうすることで自信がつきもっとやってみよう!とか
自分はまだまだできるんだという気持ちが芽生え、本人が持つ最大限の力を引き出すことができるのです。
小さいのをクリアしたHさんは今度は大きいのと小さいのを合わせたものに挑戦しました。
すると確かにつっかえずにいけるのですが、転倒するのを恐れて上半身に力が入りぎこちない感じになりました。
そこで、前かがみになっていたので目線を上げて背筋を伸ばすこと、先ほどできた成功体験を思い出してイメージすること
しっかりと手を大きく振り膝を上げてテンポを意識してみて下さいと伝えたところ。何度も繰り返すうちに
自然な流れで歩けるようになりました!

他にも色んなことにトライして楽しみながら能力を引き上げることに成功しました!
Hさん自身も手ごたえを感じてもらえてとても喜んでもらえました。
趣味であるバイクにまた乗れることを切に願っています

 

このようにリセプター療法では患者さんの能力を最大限に引き上げるアプローチをしております!
気になった方は気軽にご相談ください。

 

大阪本院 柔道整復師 太田 勇斗