NO.16 脳の構造と新脳針 脳室周囲白質軟化症(PVL)について
皆さまゴールデンウイークも過ぎましたが、いかがお過ごしでしょうか?
5月も中旬、まもなく梅雨入りしそうな季節になってきました。
当院の玄関・エントランスには妻が育てたアジサイが満開になってきました。
私はこれから梅雨入りが楽しみです。
どんよりした空模様でのアジサイ
さて、
今回は当院でのお子様の症状では、最も多いPVL(脳室周囲白質軟化症)についてお話いたします。
私は今までたくさんのPVLのお子様のご家族を診てきました。
その中で、待望の赤ちゃんを授かりましたが、早産で生まれ、その後に医師からPVLだと診断され、この先どのようにお子様と向き合っていけばいいのか、どうフォローしていかなければならないのか…と、
PVLのお子様がいるご家庭では、一度はそんな気持ちになられたことがあるのではないでしょうか?
脳室周囲白質軟化症(PVL)とは、在胎32週以下の早産期に多く発症し、脳性麻痺(早産期)の一つとしてとらえられています。
出生前~周産期に低酸素や仮死、出血などから、脳の血流が行き届かず虚血状態になることが原因で、早産児や未熟児で出産した場合は脳血管の発達が未熟となり、特に脳室周囲は虚血状態になりやすいエリアなのです。
(中の黒い部分が脳室で周囲が軟化している状態…黒の部分が大きく見える)
脳がダメージ(脳挫傷や脳出血など)を起こすと現代の医学では一度損傷した部位は再生しないと言われています。
そして、脳室周囲の白質部分には、上肢や下肢などの運動を司る神経の繊維が通っている場所であり、その部位がダメージを受けると上下肢などに緊張性の麻痺を引き起こしやすくなります。
脳室周囲のどのエリアにどのくらいのダメージがあるかで神経伝達が妨げられPVLの程度が異なるのです。
~脳室周囲白質軟化症(PVL)の初期症状~
出生後すぐは、無症状のことが多いですが、成長と共に「首すわり」が遅れたり、上肢や下肢に緊張性(下肢内転クロス症・硬い)や弛緩性(やわらかい)の麻痺が出現します。
障害される神経線維の量によって脳室周囲白質軟化症(PVL)の重症度も変わります。
~脳室周囲白質軟化症(PVL)成長と共に発症しやすい主な症状~
・下肢の麻痺(片側または両側)
・下肢の過剰な緊張(かたさ、つっぱり、緊張など)
・下肢股のクロス症状(内転筋緊張)
・尖足(足関節のツッパリ、踵がつかない)
・四肢の麻痺(片側または両側)など
先ほども述べましたが、脳室に近い部位には下肢の運動をつかさどる神経線維が在る為、足から症状が表れてくることが多いです。
筋肉が緊張して動かしにくくなり、つま先立ち(尖足)になり 歩行がやりにくくなります。
脳のダメージの範囲によっては、軽い症例で収まり麻痺がほとんど出ない場合もあり、足関節の硬いくらいで歩くのも可能である状態から、重度では四肢麻痺になる事もあります。
ダメージの部位が更に広範囲だと言葉の障害や精神面の遅れや視野の障がい認識を伴う知的障がいなども伴う事があります。
脳室周囲白質軟化症(PVL)に対する新脳針の効果!
上記にも説明した通り、脳室周囲白質軟化症(PVL)は、脳の「脳室周囲白質」という部分が出生時に何らかの原因で虚血状態となり局所的に壊死してしまう疾患です。
しかし、ダメージを受けた部位をリハビリや運動療法で新たな神経回路を生み出し、傷ついていない他の領域が、ダメージを受けている領域の機能をカバー(代償作用)をするのです。
しかも、乳幼児期の脳は、凄く発達します。
ですから、この初期の時期にいかに適切に脳に新脳針で刺激を与え神経ネットワークを広げれるかで、子どもの将来が大きく変わってくるのです!
※当院では、破壊されてしまった神経の周囲細胞を新脳針で神経活動を向上させさせ神経回路の代償を高める働きを促します。
症状が出ている脳のエリア(運動・感覚・言語・視覚など)の脳地図エリアに刺鍼し0.7mmAの超微弱電流を注入し確率共振反応から脳の代償作用(神経ネットワーク拡大で神経バイパスを作る『脳の可逆性』)を引き起こし、そして脊髄を通して体幹から四肢の各関節の受容器(リセプター)が反応します。
またメッセージ物質が各臓器同士の会話を交わしたり、手足の筋肉や血管、神経にも呼びかけ身体をを動かそうと指令が送られるのです。
新脳針で刺激を与えることで眠った神経回路を呼び起こし、同時に麻痺が出ている上肢や下肢からも刺激を入れて緊張を和らげたり、麻痺により力が入りにくい場合は神経反応を高めます。
~新脳針の治療風景~
多くの感覚や運動能力を高め成長を促すように治療が可能でなのです。
更に新脳針に加え『3つの連携プログラム』(リセプター療法・動作改善法・指頭感覚法)をプラスして受けていただくことで相乗効果が期待できます。
多くの感覚や運動能力を高め成長を促すように治療が可能です。
3つのプログラムとは…
https://maeda-shinkyu.com/care/receptor_care/ リセプター療法
https://maeda-shinkyu.com/care/move_care/ 動作改善法
https://maeda-shinkyu.com/care/shitou/ 指頭感覚法
個人によって異なるお身体の状態を一つ一つ確認し、感覚運動やバランス運動などコーディネーショントレーニングとして運動や感覚を統合し(リセプター療法)、ハイボルトやマイクロカレントなど物理療法機器を使い電子エネルギーを注入して身体に反応を呼び起こしたり(動作改善法)、マッサージやストレッチや整体など徒手療法を用いたり(指頭感覚法)、
あらゆる運動や感覚を刺激することは、脳から脊髄への神経刺激を伝達し、硬くなっている筋肉や腱を緩め、関節の可動域を広げ、日常生活動作をしやすいように導きくのです。
~3つのプログラムのリセプター療法施術風景~
脳室周囲白質軟化症(PVL)による体の緊張は、成長(筋肉の成長)と共に強くなってきますので、「新脳針」や「3つの連携プログラム」を継続して治療することにより、座位や歩行の遅れや言葉の遅れを改善し、進行していく緊張を低下させ柔軟性を高めます。
たとえ…PVLがあっても、多少麻痺や緊張があっても、そのお子様が秘めている伸びしろをしっかり捉えて、どんどんできることを伸ばしていく!
まだまだ伸ばせるところはたくさんあるのです!
いつしか魔法に掛かったかのように、気が付けば…あれこれできる子供に成長していますよ!
さあ! ワクワク!
私たちと一緒に頑張りましょう!
院長 前田為康